数学の複素解析におけるオイラーの公式(オイラーのこうしき、英: Euler's formula)とは、複素指数関数と三角関数の間に成り立つ、以下の恒等式のことである: e i z = cos z + i sin z {\displaystyle e^{iz}=\cos z+i\sin z} ここで z {\displaystyle z} は任意の複素数、 e {\displaystyle e} はネイピア数、 i {\displaystyle i} は虚数単位、 cos {\displaystyle \cos } は余弦関数、 sin {\displaystyle \sin } は正弦関数である。 特に、 z = φ ( ∈ R ) {\displaystyle z=\varphi (\in \mathbb {R} )} とする場合がよく使われ、この場合、 e i φ {\displaystyle e^{i\varphi }} は、絶対値 1 {\displaystyle 1}, 偏角 φ [ r a d ] {\displaystyle \varphi [\mathrm {rad} ]}の複素数に等しい。 オイラーの公式の図形的な表現。複素数平面において、複素数 eiθ は、単位円周上の偏角 θ [rad] の点を表す。 オイラーの公式は、複素解析をはじめとする数学の様々な分野や、電気工学・物理学などで現れる微分方程式の解析において重要である。物理学者のリチャード・P・ファインマンはこの公式を評して「我々の至宝」かつ「すべての数学のなかでもっとも素晴らしい公式」 だと述べている[1][2]。